・住宅でも事務所でも窓にはカーテンやブラインドなどなにかしら付けてるということは常識みたいになっていると思います。 ファブリックでできたいわゆるカーテンや事務所だと横型や縦型のブランドなどが多いと思います。一言でカーテンと言っても、その種類は多く、取り付け方も多岐に渡り、結構奥深いのがこのカーテンの世界です。長年この仕事をしていますが、今回お客様の新居に取り付けたプレーンシェードで私失敗をしてしまいました。恥を偲んで皆さんに共有し、皆さんが同じ失敗をなさらないよう参考にしていただけたら 私も少し救われますのでしばしお付き合い下さい。😢
◼️プレーンシェードとははじめに、一応プレーンシェードのご説明を。プレーンシェードは基本的にはファブリックで作る上下に昇降するタイプのシェードです。ファブリックを畳みながら上げていき、下ろすと一枚の布のようになります。一言で折り畳みながら~と言っても、畳み方に幾つか種類があり、総称してローマンシェードど呼んだりします。プレーンシェードはそのなかでも、生地の裏側にリングが等間隔に並んだテープを縫い付けます。このリングに昇降させるためのコード紐を 通し昇降させます。 リングのところで点で生地を吊り上げて行きますので点と点の間に若干の生地のたるみが出来て柔らかい印象のヒダが表れます。先に言ってしまうと、この柔らかいナチュラルなヒダが今回の敗因の一つとなりました。
ここでローマンシェードの利点 を説明いておくと、ローマンシェードは、左右に開くカーテンとは違い上下に開閉するため、高い場所からの視線隠しや光を遮るのに向いています 。
好きな高さで止める事が出来るので、 日中は 上げておき、日差しが強くなったら、日差しを遮る所まで下ろし、空いた部分から景色を楽しむといった使い方が出来ます。
◼️もうひとつの敗因
今回 のお客様は遮光生地に拘られまして、生地選びから難航しました。お客様のご希望のお色は白。ご存知の通り、白は一番遮光性が悪い生地です。
光を遮るには黒 の分量の多い裏地をつけたり、織りの技術で生地を織る際に黒糸を織り込む方法など有りますが、白系の生地ですとどうしても黒い繊維の影響で黒っぽい色味になってしまいます。白系であれば少し灰色に近い感じの色味になってしまいます。
この他に遮光性を上げる方法としては、光を通さないために裏面にアクリル樹脂をコーティングするというものか有ります。これであれば表地に影響なく 遮光性を高めることが出来ます。 ところがこの生地にもデメリットが 有るんです。それについては後程。
ここで私がした失敗は、初期段階でカーテンだけでは完璧な遮光性が取れないことを、十分説明出来なかったことです。
どんなに生地の遮光の機能が高くても取り付けかたが普通ならば、明るい昼間でも完全に暗くすることは不可能です 。
なぜかと言いますと
カーテンやローマンシェードを窓に取り付けた場合には、動かすときに壁に擦らないように隙間を作るからです。毎日の開け締めで擦れていたら生地が直ぐ傷んでしまいます。壁も傷むでしょう。その隙間から光が漏れるのです。四方から。
戸建てで新築であれば完全遮光をご希望される場合は私は次回からシャッターとの併用をおすすめしようと思います。
さて最終的にお客様が お選びになられてしまった生地は
遮光のために裏側にアクリルがコーティングされている生地でした!
この生地が先ほど触れましたが、裏にコーティングされたアクリルが突っ張るので 生地に張りが出てしまうのです。お肌の張りなら大歓迎なんですが、生地の張りはちょっと厄介です。その張りのせいで美しいヒダが出にくくなってしまうのです。それで プレーンシェードも綺麗に畳まれず、上部に上げると見るも無惨な姿になってしまいました。(大泣き)
生地メーカーの推奨の縫製方法にもプレーンシェードがあったので大丈夫と思いました。ここでもう一歩踏み込んでメーカーや業者に話を聞くべきでした。
張りがある生地なのでかえって折り 癖がつきやすいかとも思ったのですが駄目でした。裏コーティングやもともと張りのある生地、手の届がない窓にはプレーンシェードはやめた方が良いです。
◼️解決策
プレーンシェードでは柔らかく畳まれる事が、今選択されている生地では仇となるため、シャープシェードへの変更をご提案しました。
シャープシェードはプレーンシェード同様上下に昇降するローマンシェードの一種です。
プレーンシェードと違うところは、折り畳みのピッチに合わせてシェイパーバーと呼ばれる樹脂性の骨が入っているものです。シェイパーバーを入れることで、 今回の失敗のようにヒダが乱れにくくなり、規則正しく畳み上がるようになります。この骨の部分で折り畳まるので、直線的な 折り目で上がっていきます。
◼️シャープシェードのデメリットシャープシェードは等間隔にシェイパーバーが入っていることはご説明しました。これは畳みに対しては、非常に頼もしい働きをしますが、一点注意するとしたら、光が透ける生地の場合、シェイパーバーのシルエットが目立つということです。例えば柄が気に入って、タペストリーの様に下げたとき一枚の 絵のようになることをイメージしてシャープシェードを作った場合、 外光が入る状態だとせっかくの模様に横ラインの影が でて、模様を打ち消してしまうといったのとや、レース越しの柔らかい光をイメージしていたのに、横ストライプの生地見たいに見えてしまいます。 外光が全く入らないまたは室内の明かりがメイン(の時間帯)であればシェイパーバーの影は気にならないと思います。
◼️プレーンシェードまとめプレーンシェードは柔らかい折り目が特徴で、インテリアにもソフトな印象を与えてくれますが、ヒダが綺麗に出る 様に生地選びも大切。プレーンシェードの畳癖が付くまではしわが出来た場合はその都度しわを整えることが必要。生地にもよりますが3か月くらいで畳癖が付きます。しわを整えるためには高窓にはお勧めしない。
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